どうも、ムセキ(@nagoyakampo)です。趣味で作曲をしていて、過去には市販されているゲームに曲が採用されたこともあります。
少し前からLo-fi Hiphopの作曲に挑戦していて、20曲位作ってコツが解ってきました。最近は、自分でも各種サブスクにてLo-fi Hiphopアルバムを配信しています。
Lo-fi Hiphopの伴奏はとてもシンプルで、使用する楽器も少ないです。しかし、それだけにポイントを押さえて作ることがとても大切になってきます。また、センスもかなり問われます。
その辺りも含めて、今回の記事を書いて行こうと思います。少しでも、参考にしていただければ幸いです。
本記事は、以下の構成になっています。
Lo-fi Hiphopでの伴奏のポイント
Lo-fi Hiphopのメイン伴奏
Lo-fi Hiphopでのサブメロディ
Lo-fi Hiphopのパッド
伴奏の作例
さいごに
Lo-fi Hiphopの伴奏は、曲全体のアンビエンス感がとても大切です。
シンプルな分、センスや一音の慎重さが問われますので、確実にしっかりと打ち込んでいきましょう。
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Lo-fi Hiphopでの伴奏のポイント
Lo-fi Hiphopは、曲全体が落ち着いたノスタルジックな響きが特徴の音楽ジャンルです。ですので、主張しない伴奏、感情的でない伴奏が求められます。
それら二つの特徴はどうやったら出るのでしょうか。
ポイントは、「コードのロングトーン」「アルペジオ」「間歇的なノート」「オスティナート」「ディレイ」の5つです。それぞれ解説していきます。
コードのロングトーン
コードのロングトーンは、和音をそのまま長く弾く方法です。メイン伴奏や空間を埋めるPAD等に使いやすい方法です。「コード弾き」「重音」とも言います。
Lo-fi Hiphopで、ピアノやギターが「ジャーン」と鳴っているのをよく耳にしますが、それがこの方法になります。
単純に弾いているだけに聴こえますが、実はLo-fi Hiphopらしさを出す方法の一つだったという訳です。
アルペジオ
上でご紹介したコードのロングトーンの他に、一般的な音楽ジャンルでもよく使われるアルペジオがあります。
アルペジオも感情が入りにくい演奏方法であり、Lo-fi Hiphopでよく使われます。
しかし、アルペジオは繰り返し入れる場合もありますが、大抵の場合は煩くなってしまいLo-fi Hiphopらしさが消えてしまいます。
ですので、アルペジオは一度だけUp(若しくはDown)ストロークで入れて、後は入れないようにすると良いでしょう。
間歇的なノート
「間歇的(かんけつてき)なノート」とは、所々に入る音です。サブメロディの打ち込みでよく使う方法で、不完全なメロディ感が出ます。
Lo-fi Hiphopはアンビエンス感が大事で、メロディらしいメロディはあまり好まれません。
伴奏なのかメロディなのか、どちらでも取れるような微妙な感じを出したい場合にオススメです。
僕の曲は、この方法を多用しています。
オスティナート
オスティナートというのはイタリア語で「頑固な」「しつこい」等の意味を持ち、音楽用語では「同じパターンの音を繰り返す」という意味で用いられます。
例えば、8分音符で「ミドミドミドミド」や「ファドファドファドファド」と繰り返すようなパターンを指します。
この手法は、どちらかというとメロディラインで用いられる事が多いのですが、伴奏でも用いられる手法となります。
少しリズムをドランクビートっぽくずらすと、Lo-fi Hiphop感がよく出ます。
オスティナートの同じパターンが続くことで、コードのロングトーンやアルペジオと同じような感情的でない「Lo-fi Hiphopっぽい」雰囲気を出す事が出来ます。
ディレイ
オスティナートと同じ様な効果を狙って、ディレイもよく使われます。
オスティナートの場合は、同じ音量で繰り返しのパターンとなりますが、ディレイの場合は経時変化で音量が減衰していくのが特徴です。
他の伴奏打ち込みの手法とも相性が良いですし、ディレイエフェクトの数値をいじるだけですのでかかり具合の調整も簡単です。
僕は、BPMシンクで4分音符間隔でディレイがかかるようによく設定しています。
処理速度の問題や、他エフェクトとの絡みでディレイエフェクトが使えない場合、音量を下げて元パターンと同じノートを入れて手動ディレイを使う事もあります。
Lo-fi Hiphopのメイン伴奏
メイン伴奏でよく使われるのはギターやピアノ、電子ピアノですが、それらをコードのロングトーン(コード弾き)で入れていきます。
この時、打ち込みの場合は完全に音が揃うと嘘っぽくなるので、少し発音のタイミングをばらけさせます。そうする事で、生っぽい響きを出す事が出来ます。
それと同時に、音量もばらけさせ、一定の音量で鳴らないようにします。
打ち込みの細かいテクニックですが、その辺りも手を抜かないことが大切です。
作例を置いておきますので、聴いてみて下さい。
作例では、
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Lo-fi Hiphopのコード進行について解説します【Chillhop】
のコード進行作例の中の一つ(Ⅰmaj7→Ⅰadd9→Ⅵm→Ⅵm(maj7)→Ⅰmaj7→Ⅰadd9→Ⅳmaj9→Ⅳmaj13)を使ってピアノ伴奏を作っています。
ロングトーンですが、少し工夫をしてコードの一番上の音を変化させることで、コードチェンジを行っています。
Lo-fi Hiphopでのサブメロディ
サブメロディは、メイン伴奏とメインメロディの間のボンドのような働きをする伴奏です。ですので、「メロディと伴奏の間」のような感覚で音を入れてきます。
使う楽器は、ハープやグロッケンシュピール、木琴やカリンバ、ビブラフォン等、高音域で扱うようなものになります。
これは、メイン伴奏やメインメロディが中音域、ドラムやベースが低音域を埋まっており、高音域が空いている為です。
サブメロディは、メイン伴奏のようなコード弾きやアルペジオはあまり使用せず、間歇的なノートとディレイ若しくはオスティナートを使用します。
また、ずっと同じ音色だと飽きが来る為、小節毎に音色を変えると良いでしょう。
作例を置いておきますので、聴いてみて下さい。グロッケンシュピールと、ビブラフォンのエンベロープをいじった音を交互に使っています。
Lo-fi Hiphopのパッド
Lo-fi Hiphopのパッドは、普通のポップスのようにパッドをロングトーンで入れても良いですが、ダッキングをかけるとノリが出て良い場合があります。
ダッキング(Ducking)とは、音楽制作でよく使われる技術の一つで、特定の音が鳴る際に他の音の音量を下げることで、メインの音を目立たせる手法です。
例えば、ボーカルが再生されるときにバックグラウンドミュージック(BGM)の音量を下げる処理がダッキングになります。
ダンスミュージックでは、キックドラムが鳴る瞬間に他の音の音量を下げることで、リズムの強調や音のクリアさを保ち、また、独特の裏拍でのノリを出す事が出来ます。
ダッキング処理は、サイドチェインコンプレッサーという、キックドラムなどのトリガー信号を使ってコンプレッサーを動作させ、他の音の音量を下げる方法と、手動で音量の変化を設定する方法があります。
以下に、パッドの作例を置いておきますので聴いてみて下さい。作例はダッキング処理をしています。
伴奏の作例
上の段落で作った伴奏と、
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【ドラム打ち込み】Lo-fi Hiphopのリズムパート作曲方法【Chillhop】
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Lo-fi Hiphopのベース打ち込みについて解説します。【Chillhop】
で作ったドラムとベースを合わせました。一度、お聴きください。
作例では、オスティナートの代わりにディレイをふんだんに使って、同じ様な効果を出しています。
僕が知っている Lo-fi Hiphopの伴奏打ち込みのコツは、本記事に全て書きました。もしかしたら、他にも凄く良いコツがあるかもしれません。
また、新しい技術を発見したら、追記しますね。
さいごに
今回は、Lo-fi Hiphopの伴奏(オケ)の打ち込みについてご紹介しました。
色々とコツがありますので、少しでも参考になれば幸いです。
Lo-fi Hiphopの作曲については、こちらの記事でまとめていますのでご覧ください。
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Lo-fi Hiphopの作り方まとめ【Chillhop】
ちなみに、僕もLo-fi Hiphopアルバム「PURIFY」を各種サブスクにて配信しています。既にサブスク音楽配信の会員でしたら、追加料金はかかりませんのでぜひ聴いてみてください。
他記事でも、「ムセキノオト」では無料音楽素材の提供やコラム、レビュー等を書いています。ごゆっくりお楽しみ下さい。
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【初心者向け】作曲のコツまとめ
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【DTM・作曲】おすすめ音楽機材・ソフトシンセ・音源まとめ
それではまた!ムセキ(@nagoyakampo)でした。