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Lo-fi Hiphopの楽曲構造について【Chillhop】

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どうも、ムセキ(@nagoyakampo)です。趣味で作曲をしていて、過去には市販されているゲームに曲が採用されたこともあります。

少し前からLo-fi Hiphopの作曲に挑戦していて、20曲位作ってコツが解ってきました。最近は、自分でも各種サブスクにてLo-fi Hiphopアルバムを配信しています。

本記事では、Lo-fi Hiphopの楽曲構造についてポイントをご紹介します。

楽曲構造に関しては、フィーリングに頼る部分が大きいのですが、そのポイントを押さえておいた方が迷わず作業を進めることが出来ます。

少しでも、参考にしていただければ幸いです。

本記事は、以下の構成になっています。

Lo-fi Hiphop楽曲の長さ

Lo-fi Hiphopにおける楽曲構造の特徴

基本はパート(トラック)の抜き差し

Lo-fi Hiphop楽曲のイントロ

Lo-fi Hiphopのアウトロ

色々なLo-fi Hiphop楽曲を聴こう

さいごに

Lo-fi Hiphopは曲のドラマチックな展開をあまり考えません。淡々とアンビエンス感を重視した楽曲構造であることが大半です。

是非、最後までお読みください。

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Lo-fi Hiphop楽曲の長さ

Museki
Lo-fi Hiphopは、一曲の長さが大体3分前後になります。

Lo-fi Hiphopの一曲の長さは、大体3分前後になることが多いです。しかし、短いものは2分強、長い物は5分弱と幅があります。

ですので、あまり一曲の長さを気にして作る必要はありませんが、大まかに3分位という目安を持って作ると大きくは逸脱せず作る事が可能です。

僕の場合、一曲の長さが長くなりがちで、大体4分から5分程度になることが多いです。ですので、あまり長くならないように気をつけながら曲作りをしています。

曲の長さについて色々考え方はありますが、睡眠導入に使う目的の場合、一曲の長さは長い方が良いと考えられます。また、逆にドライブ等で聴く場合は短くても良いでしょう。用途別に、曲の時間を変えるというのも、有効な方法です。

Lo-fi Hiphopにおける楽曲構造の特徴

Museki
Lo-fi Hiphopの楽曲構造はシンプルです。

Lo-fi hiphopの曲はシンプルで、ノスタルジックかつリラックスした雰囲気を保つ為、複雑な展開は少ないです。

以下のような基本的な構造がよく見られます。それぞれご紹介します。

イントロ

曲の始まりで、環境音に加えてシンプルで静かなメロディや伴奏が導入されることが多いです。

ベースも入る事がありますが、ロングトーンで落ち着いたシーケンスにします。

曲の冒頭部分であり、非常な重要な所になりますので、後の段落で詳しくご紹介します。

メイン

イントロを構成するパートにドラムビートとベースラインが加わり、曲のリズムが確立されます。

ここまで来ると、かなり伴奏も入ってきます。この部分が一番の盛り上がりになります。

メロディの展開

ピアノやギターなどのメインメロディが繰り返され、時折変化が加えられます。

ポイントは、その変化が「元から少し変えた」ものであることです。

繰り返しですので「同じフレーズ」という安心感と、「お、ちょっと工夫されてるな。」という新鮮さのどちらも兼ね備えたものが求められます。

ブレイク

曲の中盤で一時的にビート感が減少し、環境音やサンプルが強調される部分です。メロディの展開から次の段階に移る場合に、飽きさせないように入ります。

ブレイクが入るともう一度メインビートになる場合があり、長い曲になる事が多いです。

アウトロ

曲の終わりです。パート(トラック)が減って行って、最後は静かに終わります。

アウトロは、作り方のバリエーションが色々とあります。ですので、イントロ同様に後の段落にて詳しくご紹介します。

基本はパート(トラック)の抜き差し

Museki
Lo-fi Hiphopの楽曲構造上、パート(トラック)の抜き差しで成り立つことが多いです。

Lo-fi Hiphopの楽曲は、上でお話した通り、静かに始まり静かに終わるというのが定番です。

つまり、一番音が入る4小節又は8小節が出来たら、後はそのパートの抜き差しで曲が作れます。

そのパートの抜き差し加減で、飽きさせないように工夫して曲を完成させていきます。

その工夫する部分で、センスが問われてくるということになります。ですので、その引き出しは多ければ多い程有利になります。

引き出しの増やし方については、本記事の後半でお話しします。

Lo-fi Hiphop楽曲のイントロ

Museki
Lo-fi Hiphopのイントロ部分を作曲するポイントをお話します。

Lo-fi Hiphopのイントロ作曲についてお話します。

2つ程度ポイントがありますので、それぞれご紹介します。また、後の段落で作例を数曲出しますので、イントロ部分をご参考下さい。

環境音やノイズから始める

Lo-fi Hiphopのそもそもの特徴は、レコードの音の再現にあります。

レコードの音というのは、まず、曲と曲の無音部分にスタイラス(レコード針)を落とし、曲が始まるまでにノイズのみの部分が必ずあります。

ですので、Lo-fi Hiphop楽曲においても、曲のイントロ部分は環境音やノイズから入るのが良いでしょう。そこから、静かに曲が始まるというのが理想です。

数パートから始める

Lo-fi Hiphopのイントロは、静かに始めます。ですので、メイン伴奏にメインメロディ若しくはパッドなどのオケをプラスする等、少数パートから始めます。

ドラムやベースは入らないか、若しくはドラムはハイハットのみ、ベースはロングトーンのみが多いです。あまり音を多くせず、ビート感は殆ど出さないようにします。

「静かに曲が始まる」というと、アウトロとの差別化が気になりますが、イントロの場合は「次に続ける」という感覚で音を入れていくと良いです。

そうすることで、自然とアウトロとは違うニュアンスを得られます。

アウトロは、とにかく「終わりますよ!」というメッセージを出す必要がありますので、イントロとは方向性が逆になります。

Lo-fi Hiphopのアウトロ

Museki
Lo-fi Hiphopのアウトロ(コーダ)部分を作曲するポイントをお話します。

アウトロは、イントロよりも作るのが難しいので、センスが問われます。

ポイントは3つあります。順にご紹介します。

最後は効果音やノイズのフェイドアウト

イントロと同じですが、アウトロの最後は効果音やノイズのフェイドアウトで終わらせます。

理由は上でもお話しましたが、Lo-fi Hiphopはレコード音質が目標となる為です。最後までしっかりと効果音やノイズを入れていきましょう。

静かに終わる

パート(トラック)を減らしていって、最後、静かに終わります。

これもイントロと同じですが、静かに終わりましょう。しかし、イントロと違うのは、終わる為のシグナルを入れる必要があるという事です。

パート(トラック)を減らすだけでは上手く行きません。綺麗に終わるよう、工夫する事が大切です。

その工夫ですが、アウトロの引き出しを増やさないと出来ません。アウトロ制作の引き出しを増やす方法については、次の段落にてお話しします。

引き出しを増やす

アウトロ制作は、センスや技術がかなりの割合で必要になります。その引き出しを増やす方法や、僕が使っている技術をご紹介します。

下記のポイントについて、それぞれお話ししていきます。是非、参考にしてみて下さい。

フェイドアウトは極力避ける

一番簡単なアウトロの方法がフェイドアウトです。単純に音量を徐々に絞っていけば終わりです。

しかし、この方法は簡単である反面、ワンパターンになりがちで、センスがある方法かというと疑問です。

また、フェイドアウトに頼ってしまうと、他の方法が思い浮かびにくくなってしまいます。ですので、僕はこの方法は極力使いません。

フェイドアウトを使わないことで、「他の方法でアウトロをどうやって入れようか。」と考えることになり、結果としてアウトロの引き出しが増えていきます。

Lo-fi Hiphop作曲に慣れていない最初の内はフェイドアウトで終わっても良いですが、慣れてきたら直ちにフェイドアウト禁止にしてアウトロの引き出しを増やしにかかりましょう。

リタルダンド

Lo-fi Hiphop楽曲の制作で、リタルダンドを使ったアウトロは非常に相性が良いです。

しかし、フェイドアウトと違って、リタルダンドを使う場合はセンスが問われます。

速度を自然に落としていく為にテンポを調整しますが、その調整が感覚に合わせる必要があるため非常にシビアな数値入力が必要です。

一発で入れることはまず不可能ですので、僕の場合はとりあえず感覚で「これくらいかな?」と入れておいて、実際に曲のテンポ変化を何度も聴きながら調整します。

また、調整が終わった後、一日程度置いてから、また聴き直してみます。これは、ずっとテンポの調整していると、細かいミスが解らなくなる為です。

耳をリセットして、再度調整するということです。

繰り返し

Lo-fi Hiphopに限らず、色々なジャンルで用いられる方法です。この方法はアウトロのド定番で、最後の小節を繰り返し、「これで終わりですよ!」というサインを出します。

Lo-fi Hiphopはあまり盛り上がりを作らない音楽ジャンルですので、同じテンポで繰り返すと意図せず盛り上がってしまう可能性があります。

それを防ぐため、あまり盛り上がり過ぎるシーケンスは組まない、若しくはリタルダンドと一緒に使用すると良いでしょう。

ロングトーン

Lo-fi Hiphop楽曲のアウトロで有効な方法の一つに、ベースやメイン伴奏のロングトーンを入れる方法があります。

文字通り、アウトロの最後をロングトーンで終わる方法で、「そのロングトーンを入れるまでのシーケンスをどう入れるか?」という所で非常にセンスが問われます。

この方法は、繰り返しやリタルダンドと組み合わせながら使用することが殆どで、何度も何度も推敲を繰り返すことになります。

また、ロングトーンの長さも曲の感じで様々であり、どのタイミングで音を消えるようにするか、というのにも頭を悩まします。

しかし、これを作曲ごとに行うことで、知らず知らずのうちにアウトロ作曲のセンスが磨かれます。一番難しい方法ですが、是非挑戦してみてください。

色々なLo-fi Hiphop楽曲を聴こう

Museki
質の良いLo-fi Hiphopの楽曲を作るには、色々な曲を聴いて作曲のバリエーションを増やしていくことがポイントです。

Lo-fi Hiphopでも何でもそうですが、曲をどう組み立てるかというのは「その引き出しがどれだけあるか?」にかかっています。

その引き出しを増やすには、とにかく色々な曲を聴いて分析するのが一番の近道です。

ここでは、僕が作ったLo-fi Hiphop楽曲や有名なCDをご紹介しています。是非、聴いてみて下さい。

Lo-fi Hiphop関連の記事全般に関連する作例は、以下のようになります。

商業配信

僕が作ったLo-fi Hiphop楽曲をサブスクで商業配信しています。下記リンクからお使いの配信サイトに飛べますので、是非聴いてみて下さい。

音楽素材

僕が作ったJAZZ関連の音楽素材ページです。こちらに、Lo-fi Hiphop曲もまとめて置いてあります。

ちなみに、オリジナルアルバム「PURIFY」は、ここの音楽素材をピックアップ&リマスタリングして作成しています。

【商用可・無料】JAZZ系音楽素材【フリーBGM・youtube・動画】

その他お勧め

僕が聴いて良かったLo-fi Hiphop楽曲をご紹介します。

このCDは、Lo-fi Hiphopの歴史が詰まった極上の一枚です。何度も聴いて楽曲分析をすると、自分の引き出しが増えていることに気がつくでしょう。

是非、聴いてみて下さい。

さいごに

Museki
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。

今回は、Lo-fi Hiphopの楽曲構造についてご紹介しました。

色々とコツがありますので、少しでも参考になれば幸いです。

Lo-fi Hiphopの作曲については、こちらの記事でまとめていますのでご覧ください。

Lo-fi Hiphopの作り方まとめ【Chillhop】

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それではまた!ムセキ(@nagoyakampo)でした。

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