どうも、ムセキ(@nagoyakampo)です。趣味で作曲をしていて、過去には市販されているゲームに曲が採用されたこともあります。
少し前からLo-fi Hiphopの作曲をしていて、ある程度自分なりの作り方がまとまってきましたのでご紹介します。
Lo-fi HiphopはChillhopとも呼ばれ、ゆったりとしたチルい(リラックスできる)曲調と、Lo-fiなザラザラした低音質が人気の曲ジャンルです。
音数が少なく、展開も少ないので「簡単に作れるのかな?」と思いがちですが、実は色々と基本技法があります。
それら基本を押さえないと、良いLo-fi Hiphop曲は作れません。
そこで、「もしかしたら、作り方が解らず困っている方も見えるかもしれない。」と思い、Lo-fi Hiphopの作り方を書くことにしました。
本記事は、以下の構成になっています。
Lo-fi Hiphopとは?
Lo-fi Hiphopのリズム
Lo-fi Hiphopのコード進行
Lo-fi Hiphopのベース
Lo-fi Hiphopの伴奏(オケ)
Lo-fi Hiphopのメロディ
環境音やノイズを入れる
音質の調整
Lo-fi Hiphopの曲構成
Lo-fi Hiphopの制作環境
さいごに
Lo-fi Hiphopの作り方には、特徴的な癖があります。その癖を入れながら曲を作る事で、簡単にLo-fi Hiphopが出来上がります。
本記事が、少しでもお役に立てたら嬉しいです。
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Lo-fi Hiphopとは
「Lo-fi hiphop(ローファイ・ヒップホップ)」は「Chillhop(チルホップ)」とも呼ばれます。
意図的に音質を落としたサウンドと、スイング気味かつヨレたレイドバック(のんびり、ゆったりとした等の意味)なテンポで構成された、リラックス効果の高い音楽ジャンルを指します。
ノイズや環境音を入れることも多く、フワッとしたテイストのダンスミュージックになります。
Lo-fi hiphopは、特にリラックスしたい時や集中したい時によく聴かれる音楽です。
僕も、Lo-fi Hiphopアルバム「PURIFY」各種サブスクにて配信しています。既に会員でしたら追加料金はかかりませんので、ぜひ聴いてみてください。
「Lo-fi Hiphopがどんな音楽ジャンルなのか?」については、以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
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Lo-fi Hiphopについて、解りやすく解説します。【Chillhop】
Lo-fi Hiphopのリズム
Lo-fi hip hopのリズムは、独特の雰囲気を持っています。ポイントは、シンプルでスイング気味、レイドバック、場合によってはドランクビートという4点です。
展開の少ない、8分音符を中心としたシンプルなパターンで打ち込みますが、時々16分音符(裏拍の裏)に入れると「らしさ」が出てきます。
楽器構成もシンプルで、キック、スネア、オープンハイハット、クローズハイハットがあって、そこに+αで何かしらが入る感じです。
スイングに関しては、最近のDAWで簡単に調整出来ます。完全にスイングしてしまっても良いのですが、半スイング位で押さえて不規則感を出すという手もあります。
感覚頼りになりますが、作っている曲に「丁度いいスイング感」が出るポイントがあります。
ドランクビートに関しては少し特殊で、ドランク(酒飲み)という名前からも解るようにヨレたリズムを意図的に作る手法です。
しかし、このドランクビートは使い方が難しい為、Lo-fi Hiphopの作曲に慣れてから挑戦しても良いでしょう。
Lo-fi Hiphopのドラムパート作曲については、以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください(ドランクビートの打ち込み方法もご紹介しています)。
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【ドラム打ち込み】Lo-fi Hiphopのリズムパート作曲方法【Chillhop】
Lo-fi Hiphopのコード進行
Lo-fi Hiphop曲の出来を左右する最大の要因は、コード進行です。
コード進行によって、その曲の出来不出来が決まってしまいます。
逆に言いますと、良いコード進行を持って来れば、後は惰性で作れるジャンルがLo-fi Hiphopになります。
具体的には、7thや9thを中心にして、お洒落かつノスタルジックなコードを使用していきます。時々、借用和音や代理コードも使用すると、よりカッコよくなります。
Lo-fi Hiphopのコード進行については、以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
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Lo-fi Hiphopのコード進行について解説します【Chillhop】
Lo-fi Hiphopのベース
Lo-fi Hiphopのベースは、基本的に抑え気味で無機質なラインを心がけます。慣れないうちは、コードのルート音のみでも良いでしょう。
慣れてきたら、ゴーストノート(ノリを出す為に、小さい音量で入れる音)や簡単な合いの手を入れて、変化やノリを作っていくとより良いでしょう。
メロディラインに合わせてベースラインを入れられるようになると、曲作りの幅が広がります。
使われるベースの種類は、ウッドベース若しくはサイン波のシンセベースが殆どです。丸い柔らかな音で、Lo-fi Hiphopの雰囲気を下支えします。
Lo-fi Hiphopのベース打ち込みについては、以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
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Lo-fi Hiphopのベース打ち込みについて解説します。【Chillhop】
Lo-fi Hiphopの伴奏(オケ)
Lo-fi Hiphopの伴奏は、あまり激しく動かさずにシンプルなものが好まれます。コードをロングノートで鳴らすだけ、若しくはアルペジオなど、主張しないものが良いでしょう。
また、メロディラインを補完するような動きのフレーズが入ることもあります。
楽器は、ピアノやギター等のアコースティックなものが好まれます。あまり音数を多くせず、「少なくシンプルに。」を心がけます。
Lo-fi Hiphopの伴奏打ち込みについては、以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
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Lo-fi Hiphopの伴奏(オケ)打ち込みについて。【Chillhop】
Lo-fi Hiphopのメロディ
Lo-fi hiphopのメロディは、シンプルでリラックスした雰囲気を持つことが多いです。ですので、複雑なフレーズよりも、ノスタルジックなシンプルなメロディが良いでしょう。
また、ジャズの要素を取り入れることが多く、コード進行同様7thや9thのテンションコードを使ったメロディがよく見られます。
他には、オスティナートと呼ばれる繰り返しの技法もよく使われ、Lo-fi Hiphopらしさの一翼を担っています。
グレースノートやトリルなどの装飾音を使って、メロディに表情を加えることもあります。
更に、メロディのリズムを少し後ろにずらすことで、疑似的にレイドバックのような雰囲気を出すこともあります。
ポイントは、メロディラインを出来るだけ主張させず、アンビエントな雰囲気を保つということです。
Lo-fi Hiphopのメロディライン作成については、以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
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Lo-fi Hiphopのメロディ作成方法【Chillhop】
環境音やノイズを入れる
Lo-fi Hiphopには、環境音と呼ばれる音が入っている事があります。使われる環境音は、リラックスした雰囲気を作り出すために重要な要素です。
環境音の例として、雨の音、雑踏の音、波打ち際の音、、森林の音、レコードノイズ等があります。
これらの環境音を使うことで、Lo-fi Hip Hopのトラックに独特の温かみとリラックス感を加えることができます。
僕は、川のせせらぎの音、森林の音、波打ち際の音等をよく使います。
Lo-fi Hiphopに入れる環境音やノイズについては、以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
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【Lo-fi Hiphop】環境音やノイズの選び方入れ方について【Chillhop】
音質の調整
Lo-fi Hip Hopの音質調整は、独特のフワッとした温かみと、ノイジーでレトロな雰囲気を作り出すために重要です。
まずEQ(イコライザー)ですが、低音と高音を若干カットすることで、音を丸くし、温かみを持たせます。
また、中音域を強調することで、レコードのような質感を出します。
更に、サチュレーターを使って、音にわずかな歪みを加えることで、アナログ感を演出します。
最近は、iZOTOPE Vinylという簡単にそのような効果を出せるVSTが出ていますので、利用すると良いでしょう。
Lo-fi Hiphopのミキシングやマスタリングについては、以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
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Lo-fi Hiphopのミキシング・マスタリングについて【Chillhop】
Lo-fi Hiphopの曲構成
Lo-fi Hiphopの曲構成は、他のジャンルのようにドラマチックなものにはせず、淡々とトラックパートを抜き差しし、長くても5分までで終わるものが殆どです。
曲によっては、2分強で終わってしまうものもあります。
Lo-fi Hiphopの曲作りに慣れていない時は、最初静かに始まり、徐々にトラックを増やし、最後にまた静かに終わるようにすると良いでしょう。
なお、個人的には「フェイドアウトで終わらない」様に作ることをお勧めします。この制限を加えることで、曲の終わり方を工夫するようになり、作曲の引き出しが増えます。
Lo-fi Hiphopの楽曲構造については、以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
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Lo-fi Hiphopの楽曲構造について【Chillhop】
Lo-fi Hiphopの制作環境
Lo-fi Hiphopの音は、他ジャンルに比べて逆方向(低音質)です。ですので、通常の機材やソフトに加えて、汚し系と呼ばれる特殊な処理をする必要があります。
大体はいつも使われているもので大丈夫ですが、汚し系等は通常使わないものですので、それ専用のものを使用します。
僕がLo-fi Hiphopを作るときに使用している制作環境について、下記の記事でまとめています。是非ご覧ください。
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【機材・音源・DAW】Lo-fi Hiphopの制作環境について【Chillhop】
さいごに
今回は、Lo-fi Hiphopの作り方をご紹介しました。
関連記事を含めて、作曲方法を身につけて頂ければ、Lo-fi Hiphop曲が簡単に書けるようになります。
是非ご活用いただいて、作曲ライフを楽しんでくださいね!
他にも、「ムセキノオト」では無料音楽素材の提供やコラム、レビュー等を書いています。ごゆっくりお楽しみ下さい。
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【初心者向け】作曲のコツまとめ
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【DTM・作曲】おすすめ音楽機材・ソフトシンセ・音源まとめ
本記事冒頭でご紹介した、Lo-fi Hiphopアルバム「PURIFY」も聴いてみて下さいね。
それではまた!ムセキ(@nagoyakampo)でした。