コラム

ケルト音楽等のワールドミュージック(民族音楽)で使われる音階について

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ケルト音楽等のワールドミュージック(民族音楽)で使われる音階について

どうも、ムセキ(@nagoyakampo)です。趣味で作曲をしていて、過去には市販されているゲームに曲が採用されたこともあります。

ケルト音楽をはじめ、日本の民謡や沖縄の音楽などのワールドミュージック(民族音楽)って、聴いていてメロディアスで良いですよね。

色々と試行錯誤して今は自分でサクサク作れてしまうのですが、過去の自分の様に「作り方が解らず困っている方も見えるのかな?」と思い、作り方を書くことにしました。

ということで本記事の内容は、これらのいわゆる「ワールドミュージック」の音階の話です。

参考記事がある場合でも、すぐに解るようにしてあります。どうぞご活用下さい。

本記事は、以下の構成になっています。

ムセキ作曲のケルト・民族音楽ご紹介

ワールドミュージックで使われる音階の総論

ワールドミュージックで使われる音階の各論

さいごに

ケルト音楽や民族音楽は、特徴的な癖があります。その癖を入れながら曲を作る事で、エモーショナルで素敵な音楽が作れますよ。

ムセキノオトの記事が、少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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ムセキ作曲のケルト・民族音楽ご紹介

Museki
ムセキノオト管理人「ムセキ」が作ったケルト・民族音楽をご紹介します。

論より証拠で、まずは僕が作った曲を聴いてみて下さい。

ちなみに、公開しているものは全て、無料音楽素材として配布しています。

もし「曲は作れないけど、無料で使えるワールドミュージックとかって無いかな?」と考えられている方が見えましたら、ご自由にお使い下さい。

上2つの曲の他に、下記記事にて沢山公開しています。是非、色々と聴いてみて下さいね。

【商用可・無料】ケルト・民族音楽系音楽素材【フリーBGM・youtube・動画】

本記事&参考記事に書かれているコツを読み込んで頂ければ、上記の様な曲が作れる様になります。

ちなみに、上でご紹介している曲は任天堂Switchのソフト「KORG Gadget for Nintendo Switch」で作りました。

「KORG Gadget for Nintendo Switch」での曲の作り方は、以下の記事をご覧ください。

KORG Gadget for Nintendo Switch 記事まとめ
KORG Gadget for Nintendo Switch関連記事まとめ

また、「作曲初心者で、基本も知りたい!」という方は以下の記事をご参考下さい。

作曲のコツまとめ
【初心者向け】作曲のコツまとめ

それでは早速、ワールドミュージックの音階についてご紹介していきます。

ワールドミュージックで使われる音階の総論

Museki
メロディラインで使われる音階が、そのワールドミュージックの「らしさ」を半分以上決めてしまいます。

ワールドミュージックの定義は色々ありますが、ここでは「普通のポップス等には無い特徴的な響きが入った民族の特色が出ている音楽」とします。

その「特徴的な響き」を出す方法としては、「楽器」・「音階」・「コード進行」の3種類があります。その中で、本記事では「音階」についてのお話になります。

他の2つについては、以下の記事にてご紹介しています。是非、ご覧ください。

ケルト・民族音楽の作り方
【ケルト音楽】アニメ「葬送のフリーレン」BGMの様な曲の作り方まとめ【民族調】

さて、本題です。世界中に色々な民族音楽がありますが、目的のジャンルの音楽を作ろうと思ったらどうすれば良いでしょうか?

答えは、「その民族音楽で使われている楽器・音階・コード進行を解析して、同じものを使う。」です。

中でも音階については、さりげなく使われているケースも多々あり、何度も聴き込んでやっと解るという事もあります。

僕自身も、メタルバンドのNightwishの一曲「My Walden」という曲を解析していて、「何でこんなにケルトっぽいテイストが出るんだろう?」と解らなかった経験があります。

ワールドミュージックで使われる音階というのは、「ペンタトニック」と呼ばれる文字通り5つの音から成る音階を使用しています。

また、ドリアンスケールと呼ばれる「レ」から始まる音階(レミファソラシド)も使用します。

これらは特徴的である反面、アクが強い為にさりげなく使った方が良い場合が多いという特徴があります。

その特徴がある為、あまり前面に押し出さないというのも解析に時間がかかる要因になっています。

本記事では、その辺りも加味しながら各論を書いています。是非、ご覧ください。

ワールドミュージックで使われる音階の各論

Museki
ワールドミュージックで使われる主な音階をご紹介します。

ワールドミュージックで使われる音階には、以下の様なものがあります。

和音階

琉球音階

ドリアンスケール(ドリア旋法)

アラビア音階(マカーム)

それぞれお話していきます。なお、アラビア音階については、種類が非常に多い為、簡単なご紹介に留めます。

和音階

和音階は、通称「四七抜き(よなぬき)」と言います。文字通り、Ⅳ度の音とⅦ度の音を抜きます。

ハ長調(ドレミファソラシ)では、ファとシの音を抜いて「ドレミソラ」のみを使います。これでメロディを作ると、日本の民謡の様なテイストが出ます。

ポップスでは「元ちとせ」さんをはじめとする奄美大島の民謡を取り入れた曲が有名ですね。

この和音階の派生で、Ⅳ度の音だけを抜く「四抜き」を使うと、ケルト音楽のテイストが出てきます。

ハ長調では「ドレミソラシ」になります。しかし、Ⅳ度を絶対使わないという訳ではなく、要所要所では使用します。

このⅣ度音の存在が、ケルト音楽のキーポイントだと僕は考えています。そして、このキーポイントがケルト音楽の解析を難しくしている原因にもなっています。

「何となく四抜きっぽいなあ」という位がケルト音楽で使われるメロディラインになります。

琉球音階

琉球音階は、沖縄の音楽に主に使用される音階です。

和音階と同じくペンタトニックの一種で、Ⅱ度の音とⅥ度の音を抜きます。ハ長調(ドレミファソラシ)では、レとラを抜いて「ドミファソシ」のみになりますね。

琉球音階を使用している代表曲はThe Boomの「島唄」です。Aメロとサビが琉球音階になります。

ちなみに、島唄のBメロは和音階です。同じペンタトニックで相性が良いのでしょうか。興味深いですね。

ドリアンスケール(ドリア旋法)

ドリアンスケールは、ジャズで言うモードと言い、クラシックではドリア旋法と言われます。

ドレミファソラシドだと、主音がレになります。「レミファソラシドレ」という音階を使います。

レミファソラまでは短調に聴こえ、シドレだけ長調に聴こえるのが不思議ですね。

この2つの調が合わさり、神聖な雰囲気を出す事が出来ます。オルガンで弾くと本当に教会っぽくなるんですけど、民族楽器で弾くと凄く味のあるメロディになります。

ケルト音楽に限らず、ヨーロッパの民謡にもよく使われていて、代表曲は「スカボロフェア―」になります。イギリスのバラッドですね。

僕の作ったケルト音楽には、このドリアンスケールを使ったものが多いです。

アラビア音階(マカーム)

アラビア音階は使ったことが無いので、簡単なご紹介だけに留めておきます。調べてみると、1/4音階もあるみたいですね。

正直、そこまでアラビア音楽に傾倒しているのでなければ、2,3個知って置けば良いと思います。

アラビア音階での音階は、「マカーム」と呼ばれます。そのマカームは非常に多くの種類があり、地方によって使われるマカームが違います。

代表的なマカームは、

ラースト

マカーム・ナワサル

マカーム・ヒジャーズカル

になります。各々、ご紹介していきます。どれを使っても、何故かアラブっぽい感じになるのが不思議ですね。

ラースト

ラーストは、「ドレミ♭ファソラシ♭」の音階ですが、ミとシに付いている♭は半音階ではなく1/4音下げた音になります。

ですので、作曲の際はピッチベンドをいじる必要があり、打ち込みの際は少し面倒です。

マカーム・ナワサル

マカーム・ナワサルの構成音は、根音がドだと「ドレミ♭ファ#ソラ♭シ」となります。

見慣れない音階なので、こんなので作れるのかな?と思うのですが、実際に弾いてみると、確かにアラブっぽい響きになります。

マカーム・ヒジャーズカル

マカーム・ヒジャーズカルの構成音は、根音がドだと「ドレ♭ミファソラ♭シ」となります。

これも、アラブっぽい響きです。打ち込みが比較的楽なので、最初に挑戦するならマカーム・ヒジャーズカルが良いかもしれませんね。

さいごに

Museki
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。

今回は、ケルト音楽をはじめとするワールドミュージックの音階についてご紹介しました。

他にも、以下の記事が参考になると思います。

ケルト・民族音楽の作り方
【ケルト音楽】アニメ「葬送のフリーレン」BGMの様な曲の作り方まとめ【民族調】

これらの技術を身につけて頂ければ、ケルト音楽や民族音楽のメロディが自由に作れるようになります。

是非ご活用いただいて、作曲ライフを楽しんでくださいね!

他にも、「ムセキノオト」では無料音楽素材の提供やコラム、レビュー等を書いています。ごゆっくりお楽しみ下さい。

作曲のコツまとめ
【初心者向け】作曲のコツまとめ
音楽機材・ソフトシンセ・音源まとめ
【DTM・作曲】おすすめ音楽機材・ソフトシンセ・音源まとめ

それではまた!ムセキ(@nagoyakampo)でした。

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