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【ジブリ風】久石譲さんっぽいコード進行の作り方【作曲】

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ジブリ風コード進行

ジブリ風コード進行の作り方

どうも、ムセキ(@nagoyakampo)です。趣味で作曲をしていて、過去には市販されているゲームに曲が採用されたこともあります。

少し前からジブリ風(久石譲さん)っぽい音楽の作曲に挑戦していて、10曲位作ってコツが解ってきました。ネットで色々参考サイトがありますが、それに加え、自分の分析で新しく解ったこともあります。

久石譲さんの音楽は、メジャーな日本のポップスや洋楽にはあまり用いられない特徴があり、その特徴を押さえることで、スタジオジブリ作品を代表とする久石譲ワールドが生まれます。

久石譲さんのコード進行について、自分自身は色々と調べて苦労したのですが、まとまった情報があると同じ様に困っている方のお役に立てると思い、本記事を書くことにしました。

本記事は、以下の構成になっています。

ジブリ(久石譲さん)風コードの特徴①「四度堆積和音」

四度堆積和音の使い方①「サスティンコード」

四度堆積和音の使い方②「低音と高音の異なるコード」

ジブリ(久石譲さん)風コードの特徴②「5thコード」

ジブリ(久石譲さん)風コードの特徴③「借用和音」

ジブリ(久石譲さん)風コードの組み合わせ方(作例)

さいごに

ジブリ(久石譲さん)風コードには、他にはない特徴があります。その辺りを詳しく、本記事にて詳しくご紹介していきます。

少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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ジブリ(久石譲さん)風コードの特徴①「四度堆積和音」

Museki
コードのルート音に対して4thで音を積み上げた和音を「四度堆積和音(よんどたいせきわおん)」と言います。

四度堆積和音は、久石譲さん他、ジャズや各種ゲーム音楽等、現代のポピュラー音楽に欠かせない和音です。

「四度」という文字が表している通り、そのコードのルート音に対して四度の間隔で音を重ねて作る和音をそう呼びます。

通常のコードは三度で重ねるのですが、四度で重ねた場合は不思議な響きを持つ和音が生まれます。

この四度堆積和音と「ペンタトニック」と呼ばれる久石譲さんがよくメロディラインで使われる音階を使い、久石譲さんは曲を作られています。

ジブリ風のメロディラインについては、以下の記事をご覧ください。

ジブリ風メロディの作り方
【ジブリ風】久石譲さんっぽいメロディの作り方【作曲】

四度で重ねるのは限りなく出来るのですが、あまりやりすぎると曲自体の聴きやすさが失われます。ですので、「少し使う」という意識で使っていくのが良いでしょう。

実際の作曲では、四度上だけではなく、四度下の音も使って四度堆積和音を作っていきます。具体的な使い方については、次の段落から書いていきます。

四度堆積和音の使い方①「サスティンコード」

Museki
サスティンコードというのは、sus4やsus2等と呼ばれるコードのことです。

四度堆積和音に少し慣れてくると、sus4(例:ドファソ)やsus2(例:ドレソ)、11th(ドミソ(シ)レ)という類のコードと響きが似ていることに気が付きます。

詳しく深堀りすると色々と理論があるのですが、それっぽく作るだけなら何となくで大丈夫です。

つまり、意識的にsus4やsus2、11thを多めに使っていけば、ジブリっぽいコード進行を作ることが出来ます。

四度堆積和音は、独創的な曲を作るのに向いていますが、独創的というのは「わかりにくい曲」「馴染みのない曲」になってしまう可能性が非常に高いと言えます。

ですので、「調性が失われない程度に、四度堆積和音は少しだけ使う。」というのが正しい使い方ではないでしょうか。

四度堆積和音の使い方②「低音と高音の異なるコード」

Museki
久石譲さんは、低音部分と高音部分で異なるコードを使用する場合があります。

「四度堆積和音の使い方①」ではサスティンコードをご紹介しましたが、「どうコードを積み上げたら良いか?」という問題があります。

この答えの一つに、「低音(ピアノだと左手部分)と高音(ピアノだと右手部分)で違うコードを奏でる。」というのがあります。

僕がよく使う方法は、左手が5thコード(後で説明します。)を押さえ、右手は四度堆積和音を使うという方法です。この方法は11thやsus4の響きが得られやすく、非常に使い勝手が良いので重宝しています。

よく解らない場合、まずはコードを実際に作って聴いてみると解りやすいですよ。

ジブリ(久石譲さん)風コードの特徴②「5thコード」

Museki
3thの音を抜いた5thコードも頻繁に用いられます。

上の段落で少し話しましたが、四度堆積和音の他にも、5thコードの重ねもよく使われます。

ドレミファソラシドなら、ドソのみの重ねですね。パワーコードとも言い、単一で非常に力強い響きが得られます。

3thの音が邪魔になることがあるので、その場合は5thを採用して作っていくのも手です。

メロディラインにペンタトニックを使っているというのもあり、5thコードの運用がしやすいのかもしれません。特に、低音部で重宝します。

ジブリ(久石譲さん)風コードの特徴③「借用和音」

Museki
借用和音というのは、同じルート音かつ異なるスケールの調から和音を借りて使用することを言います。

借用和音は、久石譲さんに限らず、どんなジャンルでも普通に使われている技術ですが、ジブリ音楽にも欠かせないものですのでご紹介します。

借用和音というのは、他の調から和音を借りてくることを指します。簡単なのは、同種調という、同じルート音(根音)を持つ長調⇔短調での借用や平行調での借用となります。

借用和音の例ですが、例えばハ長調(ドレミファソラシド)ならF(ファラド)の代わりにFm(ファラ♭ド)だったり、Am(ラドミ)の代わりにA(ラド♯ミ)等です。

ハッとなる効果があるので、アクセントとしての使用がお勧めです。

ジブリ(久石譲さん)風コードの組み合わせ方(作例)

Museki
ジブリ風コードの組み合わせ方と作例をお話しします。

ここまでご紹介しました特徴①~③を使って、コード進行を作っていきます。

只、絶対にこれらの特徴を使わないといけないという訳ではなく、使うことで聴きにくい曲になってしまったり、不協和音になってしまったりすることは避けないといけません。

ですので、「聴きやすさ優先」で、入れられる所にこれらの特徴を入れていくという作り方がお勧めです。

作例

作例は、

ジブリ風メロディの作り方
【ジブリ風】久石譲さんっぽいメロディの作り方【作曲】

のメロディラインに伴奏をつける形で作りました(メロディラインも多少、変更しています)。比較しやすいよう、通常の三度の積み上げでも伴奏を作っていますので、響きやイメージの違いを確認してみてください。

作例1(ジブリ風コード進行)

作例2(基本のコード進行)

同じメロディでも、伴奏が違うと全然イメージが変わってきますね。今回は作例ということで、なるべく特徴①~③に沿って作りましたが、実際の曲作りではそこまで厳密な運用はしていません。

作曲技術の一つとして応用していただければ幸いです。

さいごに

Museki
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。

今回は、ジブリ風(久石譲さんっぽい)コードについてご紹介しました。あくまで僕が分析した結果ですので、 もっと違った技法が使われている可能性もあります。

もし そのような 僕が見つけられなかった テクニックが ありましたら教えていただけると助かります。 ここまでお読みいただきありがとうございました。

少しでも参考になれば幸いです。

僕が作曲したジブリっぽい曲は、以下の記事でまとめてご紹介しています。どうぞご覧ください。

【商用可・無料音楽素材】ジブリ風ピアノソロ【フリーBGM】

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それではまた!ムセキ(@nagoyakampo)でした。

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