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Lo-fi Hiphopのメロディ作成方法【Chillhop】

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どうも、ムセキ(@nagoyakampo)です。趣味で作曲をしていて、過去には市販されているゲームに曲が採用されたこともあります。

少し前からLo-fi Hiphopの作曲に挑戦していて、20曲位作ってコツが解ってきました。最近は、自分でも各種サブスクにてLo-fi Hiphopアルバムを配信しています。

Lo-fi Hiphopのメロディは他ジャンルと違い、アンビエンス重視で主張しないものが求められます。ですので、そのポイントを押さえて作ることがとても大切になってきます。また、センスもかなり問われます。

その辺りも含めて、今回の記事を書いて行こうと思います。少しでも、参考にしていただければ幸いです。

本記事は、以下の構成になっています。

Lo-fi Hiphopでのメロディの特徴

Lo-fi Hiphopのメロディに使われる音色

Lo-fi Hiphopでのメロディ打ち込みのコツ

メロディの作例

さいごに

僕は、ポップスやロックのメロディラインに慣れていた為、Lo-fi Hiphopのメロディを作れるようになるまでかなり苦労しました。

しかし、本記事のメロディライン作成ポイントを押さえれば、かなりそのハードルは取り除かれるはずです。
是非、最後までお読みください。

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Lo-fi Hiphopでのメロディの特徴

Museki
Lo-fi Hiphopのメロディは、とにかく存在を薄くして曲全体のアンビエンス感を大切にするようにします。

Lo-fi hiphopのメロディは、感情的で自己主張をしてしまうとアンビエンス感が失われてしまいます。

ですので、極力シンプルで主張しないものが好まれます。

また、リラックスした雰囲気を持つことが多く、ノスタルジックな響きを持たせることが大切です。

ジャズの要素を取り入れることが多く、曲自体もスイングしています。ですので、その系統の渋いメロディもよく合います。

まとめますと、「シンプルでノスタルジックな響きを持った渋いメロディライン」これがLo-fi Hiphopで求められるメロディラインになります。

Lo-fi Hiphopのメロディに使われる音色

Museki
Lo-fi Hiphopのメロディに使う音色は、アコースティックなもの、柔らかい音のものを使います。

Lo-fi Hiphopのメロディに使う音色は、ピアノ、エレクトリックピアノ、アコースティックギター、エレキギター、シンセリード、フルート、サックス等があります。

特に、最初に出した4つの楽器はよく使われる傾向にあります。それぞれ、ご紹介していきます。

ピアノ

Lo-fi Hiphopで使われるピアノは、温かみのある柔らかい音色が好まれます。

これは、アナログ感を出すために意図的に音質を落としたり、ビンテージのピアノ音源を使用したりすることが多い為です。

メロディにはリバーブやディレイなどのエフェクトを深めに使って、音に深みや広がりを持たせることが一般的です。

打ち込みの場合、手弾き感を出す為に装飾音を入れたり、少しリズムや音量をバラして入れる等の工夫をすると良いでしょう。

エレクトリックピアノ

エレクトリックピアノも、通常のピアノと同様温かみのある音色がよく使われます。特に、ローズピアノと呼ばれる種類の音色がLo-fi Hiphopに適しています。

ローズピアノは、温かみがあり、かつクリアな音色が特徴で心を安らかにする効果があります。特に低音域の力強い音と高音域の澄んだ音が魅力になります。

ピアノと同じように、リバーブやディレイエフェクトは深めにかけて、音に深みや広がりを持たせることが多いです。

打ち込みの場合、手弾き感を出す為に装飾音を入れたり、少しリズムや音量をバラして入れる等の工夫をすると良いでしょう。

アコースティックギター

アコースティックギターもLo-fi Hiphopのメロディに合う音色です。

アコースティックギターの場合、リードメロディで打ち込みっぽさを技術で補うのは難しいです。なので、専用の音源を入れて打ち込みするのが一番良いでしょう。

勿論、生ギターを入れられるのであればそれが一番良いです。

ピアノと同じように、リバーブやディレイエフェクトは深めにかけて、音に深みや広がりを持たせることが多いです。

エレキギター

エレキギターも、Lo-fi Hiphopのメロディで使われる楽器です。エレキギターの場合、ジャズやブルース等で使われる柔らかい渋い音が良いでしょう。

アコースティックギターと同じく、リードメロディで打ち込みっぽさを技術で補うのは難しいです。ですので、専用の音源を入れて打ち込みするのが一番お勧めです。

ピアノと同じように、リバーブやディレイエフェクトは深めにかけて、音に深みや広がりを持たせることが多いです。

シンセリード

シンセリードは、音色を選びますがLo-fi Hiphopのメロディに使用できます。

ノコギリ波等の攻撃的な音は合いませんが、三角波や矩形波リード系統の柔らかい音なら使う場合も出てきます。

使いどころが難しいので、慣れないうちは無理に使わず、他の楽器を使ってLo-fi Hiphop楽曲の制作をして行った方が良いでしょう。

フルート

フルートは、Lo-fi Hiphopのメロディに使用出来る楽器です。ですが、よく使われるピアノやギターよりはマイナーです。

癒し度の高い曲に、特に向いている音色です。

フルートも、リバーブやディレイエフェクトは深めにかけて、音に深みや広がりを持たせることが多いです。

サックス

サックスは、Lo-fi HiphopよりJazzy Hiphopでよく使われますが、Lo-fi Hiphopでも使用できる楽器です。作例ではサックスを使用しています。

その音色から、ブルーノートを使ったメロディラインがとても映えます。ジャジーなメロディを組めるようなら、一度挑戦してみてください。

Lo-fi Hiphopでのメロディ打ち込みのコツ

Museki
メロディ打ち込みのコツをご紹介します。

Lo-fi Hiphopのメロディラインの打ち込みには、色々なコツがあります。ここで、それぞれご紹介していきます。

ノスタルジックな響きを出すコツ

Lo-fi Hiphopのメロディラインはノスタルジックな響きを持ちます。ノスタルジックな響きを出すコツは、7度音程と9度音程をメロディラインに取り入れることです。

この7度音と9度音というのは、ルート音がドなら7度がシ、9度音がレになります。

このシドレを使ったメロディラインはドリアンスケール(ドリア旋法)と呼ばれ、教会旋法の一つとして使われています。

ドリアンスケールは神聖な感じの響きが出るスケールですが、楽器が変わると民族音楽っぽいニュアンスが出たり、懐かしいノスタルジックな響きを出す事が出来ます。

僕の分析する限りでは、Lo-fi Hiphopのノスタルジックな響きはこの7度音と9度音が大きな役割を占めています。

これは、コード進行で7th(セブンス)や9th(ナインス)のコードがよく使われる裏付けにもなります。

他にも、不完全な和音階(四七抜きではなく四抜き、七抜き)を使うことでもノスタルジックな響きを出す事が出来ます。

また、基本的にメロディラインは「流れるように横に横に作る。」というのがセオリーですが、ノスタルジックな響きを出す為には、たまに跳んだ音を入れると良いでしょう。

このテクニックは、上のドリアンスケールと相性が良い方法になります。

以上、ノスタルジックな響きを出すメロディライン作成のコツをお話しました。色々と試してみて下さいね。

間歇的なメロディライン

間歇的なメロディラインとは、時々入る音で構成されるメロディラインのことです。どうしてもメロディラインが長く続くと、主張したメロディになりがちです。

長いメロディラインでも音の組み合わせで主張しないメロディは可能なのでしょうが、自分自身で色々と試してみても中々上手くいきません。ちょっと難しいと感じています。

少ないノート(音数)でメロディラインを構成し、それを所々で置いておく方が簡単です。

リズムをずらす

メロディのリズムをずらす事で、手弾き感やレイドバック(リラックスしたのんびりしている雰囲気)感が出やすいです。

リズムをずらす方法としては、大きく2種類に分かれます。

一つ目は、タイミングを微妙にズラしたメロディラインを組むことです。3連64分音符程度の非常に短いタイミングで発音タイミングをずらすことで、リズムのふらつきが出て、それがドランクビートとなります。

ドランクビートというのは、Lo-fi Hiphop独特のリズムで、フラフラしたリズムを刻んでレイドバック感を出す方法です。

ドランクビートについては、

【ドラム打ち込み】Lo-fi Hiphopのリズムパート作曲方法【Chillhop】

で詳しくご紹介しています。ご参考頂けると嬉しいです。

二つ目は、3連8分音符を使う方法です。

これはメロディライン内に3連符のリズムを入れて作る方法ですが、リズム自体が良い感じにずれるので独特のレイドバック感が出ます。

生ギターが入っているLo-fi Hiphop楽曲でよく耳にします。

解りにくいので、下に作例を置いておきます。上の作例が通常のメロディライン、下のものが3連8分音符を使ったメロディラインです。

どちらが良いという訳では無く、伴奏等との兼ね合いでどちらが適しているかが変わってきます。

通常のメロディライン

3連8分音符を使用したメロディライン

装飾音

特に打ち込みで有効な方法で、装飾音を加えることでカッコいいメロディラインを作ることが出来ます。

メロディラインを作ってみて、「うーん、何か足りないなあ。」「もうちょっとカッコよく出来ないかなあ。」となった場合に試してみても良いでしょう。

スタッカートのようなアクセントをつけることが出来ます。

メロディ担当楽器を変える

同じ楽器でメロディが続くと、メロディラインが際立ちすぎてLo-fi Hiphopに大事なアンビエンス感が薄れます。ですので、小節毎にメロディ担当の楽器を変えていくのも手です。

只、何種類も取り留めも無く変えていくとまとまりが無くなってしまうので、2,3の楽器でメロディ担当を繰り返し交代する方法を取ると良いでしょう。

難しい所ですが、主張しすぎず、まとまりを崩さずという所がLo-fi Hiphopのメロディライン作成のコツです。

Lo-fi Hiphopの伴奏打ち込み記事(サブメロディの段落)で同じ内容を取り上げています。どうぞご覧ください。

Lo-fi Hiphopの伴奏(オケ)打ち込みについて。【Chillhop】

オスティナート

オスティナートというのは、「頑固な」「執拗な」という意味のイタリア語です。

音楽用語では、「ミドミドミドミド」「ファドファドファドファド」という風に、同じ音程を繰り返すことを言います。

機械的に繰り返されるラインなので、感情的にならず主張しないメロディライン作成が可能になります。

オスティナートもLo-fi Hiphopでよくみられる技法ですので、覚えておくと良いでしょう。

Lo-fi Hiphopの伴奏打ち込み記事(サブメロディの段落)で同じ内容を取り上げています。どうぞご覧ください。

Lo-fi Hiphopの伴奏(オケ)打ち込みについて。【Chillhop】

ディレイやリバーブ

基本的にEDM(エレクトリックダンスミュージック)ではディレイやリバーブは深くかけない方が良いことが多いのですが、Lo-fi Hiphopのメロディは深くかける事が多いです。

特にディレイはオスティナートと同じような効果があるので、多用します。リバーブについては、どちらかというとオケへなじませる為に使うことが多い印象です。

メロディの作例

Museki
メロディの作例を置いておきますので、聴いてみて下さい。

同じ伴奏を元に、3つ作例を作ってみました。

【ドラム打ち込み】Lo-fi Hiphopのリズムパート作曲方法【Chillhop】
Lo-fi Hiphopのベース打ち込みについて解説します。【Chillhop】
Lo-fi Hiphopの伴奏(オケ)打ち込みについて。【Chillhop】

で作った伴奏を合わせたものを3種類置いておきますので、一度聴いてみて下さい。

作例1

作例2

作例3

さいごに

Museki
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。

今回は、Lo-fi Hiphopのメロディライン作成についてご紹介しました。

色々とコツがありますので、少しでも参考になれば幸いです。

Lo-fi Hiphopの作曲については、こちらの記事でまとめていますのでご覧ください。

Lo-fi Hiphopの作り方まとめ【Chillhop】

ちなみに、僕もLo-fi Hiphopアルバム「PURIFY」を各種サブスクにて配信しています。既にサブスク音楽配信の会員でしたら、追加料金はかかりませんのでぜひ聴いてみてください。

他記事でも、「ムセキノオト」では無料音楽素材の提供やコラム、レビュー等を書いています。ごゆっくりお楽しみ下さい。

作曲のコツまとめ
【初心者向け】作曲のコツまとめ
音楽機材・ソフトシンセ・音源まとめ
【DTM・作曲】おすすめ音楽機材・ソフトシンセ・音源まとめ

それではまた!ムセキ(@nagoyakampo)でした。

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