どうも、ムセキ(@nagoyakampo)です。
長年、作曲を趣味として楽しんでいます。
今日は、ケルトやワールドミュージック等の民族音楽のコード進行について、詳しくご紹介します。
「普通のポップスやロックと同じ様に聞こえるけど、何か違うんだよなあ。」
って思っていらっしゃる方、お見えだと思います。実は、民族音楽は色々とコード進行に特徴があります。
その特徴を押さえて作られている曲は、普通のポップスやロックとの違いがはっきり出てくるんですよね。ちょっとの違いが天地の差になりますので、知っておいた方が断然有利です。
その辺り、しっかりと押さえていきましょう。
本記事は、以下の構成になっています。
比較的簡単な響きのものが中心
たまにノンダイアトニックコードが入る
暗い→明るいの展開がポイント
お勧めコード進行
民族音楽のお勧めアルバム
基本的に民族音楽はダンスありきなものが多いので、解りやすい響きのものが好まれる印象です。
しかし、その土地土地で異なるニュアンスを出す為、他の地域では使われないようなタイミングでのノンダイアトニックコードの使用があったりします。
いわゆる、スパイスみたいなものでしょうか。
民族音楽は、このコード進行の特徴とスケールやメロディでの特徴を合わせながら作曲していきます。今回はコード進行にフォーカスしてご紹介していきます。
メロディラインに使う楽器の音階に合わせて作る事になると思いますが、本記事ではハ長調(イ短調)でご紹介していきますね。使う鍵盤は白鍵のみ(ドレミファソラシド)です。
それでは、どうぞご覧ください。
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比較的簡単な響きのものが中心
暗い悲しい響き、明るく楽しい響き等、はっきりとしたコードが使われる事が非常に多いです。逆に7th以上のスタイリッシュな響きのコードはそこまで使われません。
勿論、メロディ等と合わせてそういう響きになる事はありますので絶対ではありません。大体そんな傾向がありますよ、という感じです。
上でもご紹介した通り、元々民族音楽自体がダンスミュージックの様な性格が強いという事もあり、解りやすいものが好まれるのでしょう。
明るいなら明るい、悲しいなら悲しい、という感じでしょうか。ノリ重視に作曲していく事が大事なポイントになります。
たまにノンダイアトニックコードが入る
ノンダイアトニックコードというのは、その音階以外の音を使ったコードになります。
ハ長調(イ短調)なら、ラド#ミ、レファ#ラ、ファラ♭ドといったコードです。前者二つは終止で使う事が多く、後者はサブドミナントコードとしての役割で使われます。
また、前者を使った響きはケルトの様な北欧系民族音楽の香りがし、後者はハワイアンや南国リゾート系の響きがします。
場合によって使い分けると、作曲の引き出しが増えます。何曲か作ってみると、どう入れれば良いかコツが解りますよ。
暗い→明るいの展開がポイント
俗に言うエモいというやつでしょうか。暗く悲しいコードで始まり、羽陽曲折を経て最後は救われる様な明るいコードで終わるとウケが良い気がします。
民族音楽自体が宗教学的な色が濃いというのもあるのかもしれませんね。ダンスってお祭りでよく踊りますし。
ケルト音楽もファンタジーと相性が良いですし、癒しがテーマでもあるのでその様なポイントを突いて曲を作ると良いでしょう。
以下の見出しに、お勧めのコード進行をご紹介していきますので、ご参考頂ければと思います。
お勧めコード進行
民族音楽のお勧めコード進行をご紹介します(僕の独断と偏見で選んでいます)。
そのまま使って頂いても良いですし、アレンジして頂いても良いです。曲作りの参考になれば幸いです。
Am→C→D→E7
徐々に上がっていくコードです。3拍子の曲と相性が良いですね。
後半のD→E7というノンダイアトニックコードの連続がスパイスとなり、ケルトっぽい香りを出してくれます。
最初暗くて後半になるにつれて明るくなりますので、救われる感がとても出てきます。癒し系コード進行。
Am→F→Fm→C→G7
このコードは、FからFmというノンダイアトニックコードへの繋ぎです。この進行は、ハワイアンや南国リゾート系のイメージで使う事が多いですね。
前後のコードを色々と変える事で、非常に多くのバリエーションが生まれます。ハネたリズムとも相性が良いので、クールにキメたい所です。
F→G→D→D
このコードは終止にDが来ます。通常のポップスやロックでは無いんですけど、ケルト等の北欧音楽では割と出てきます。
トニックではなくサブドミナント扱いなので、楽節の中間部分での偽終止として使います。
ドリアンスケールと相性が良いので、組み合わせて使われる印象です。「Am→C→D→E7」とは違った感じで救われる感が出る、癒し系コード進行です。
Am→Em→F→C
このコード進行は、ノンダイアトニックコードを使っていません。
「Am→C→D→E7」と同じく暗い→明るいの進行ですが、前半部分でマイナーコードが重なっている為、後半部分との落差が大きいのがポイントです。
何と言うかあからさまなので、あまり多用せずにここぞという時に使いたいですね。
F→G7→A
「F→G→D→D」と同じ様に、ノンダイアトニックコードでの終止となります。
Dと違い、AはAmのドをド#に変えたものでトニック扱いのコードになりますので、曲の終わりの終止部分にも使えます。
これも、Aに至るまでの経過音を色々と変更すると良いでしょう。
民族音楽のお勧めアルバム
民族音楽のコードを研究するには、実際に聴いて解析するのが一番です。
下記の民族音楽のリズムについての記事でもご紹介しました、アルトネリコとグランディアがお勧めですね。
実は、民族音楽は、RPGゲーム音楽のアルバムにかなりその要素が色濃く反映されています。僕も繰り返し聴いて解析したこれら2作品をご紹介しますね。
アルトネリコ
詩(うた)うRPGとして有名なゲーム。音楽がウリなだけあって、凄く曲のクオリティが高いです。
「色々な民族音楽を聴きたい!」という、初心者の方から「民族音楽を解析して自分でも作れるようになろう!」という猛者までお勧めです。
僕は今でも、車の中で聴けるようにセットしています。聴く時にじっくりと解析しながら注意深く音を拾うと、本当に凄い技術が詰まっている事が解ります。
民族音楽に使われるコード進行も非常に多くの曲に使われていて、解析しがいがありますね。僕も何度も何度も繰り返し聴きました。
現在は、アルトネリコ2のオリジナルサントラが通販されています。
グランディア
古いゲームで申し訳ないのですが、グランディアというゲームのBGMもお勧めです。
アルトネリコよりもダンサブルで、解りやすいコード進行が多く使われています。コード進行の解析に慣れていないのなら、こちらをお勧めします。
さいごに
今回は、民族音楽のコード進行についてご紹介しました。コード進行は曲の屋台骨なので、コード進行の分析を数多くこなして引き出しを広げておく事をお勧めします。
この記事が皆様のお役に立てたら嬉しいです。
他にも、「ムセキノオト」では無料音楽素材の提供やコラム、レビュー等を書いています。ごゆっくりお楽しみ下さい。
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それではまた!ムセキ(@nagoyakampo)でした。