(本記事は、ある程度パソコン等での作曲に慣れた方向けです。)
どうも、ムセキ(@nagoyakampo)です。
DAW(デジタルオーディオワークステーション)やKORG Gadget for Nintendo Switchを使って、打ち込みで作曲を楽しんでいます。
ジャズの作曲って言うと難しいと思ってしまいますよね。
「ジャズとかのカフェ音楽作りたいけどどうやったら良いの?簡単な方法無い?」
って思っていらっしゃる方、お見えだと思います。凄く難しいコードが一杯で、「無理だ!」と最初僕も考えていました。
でも、楽器は出来た方が良いんですけど、出来なくても打ち込みだけでも意外と何とかなります。
まあ、なんちゃってですので。
という事で、今回の記事では僕が実際にジャズっぽい曲をどうやって作っているか、詳しくご紹介していきますね。
本記事は、以下の構成になっています。
ムセキ作曲のジャズっぽいカフェ音楽
「なんちゃって」でも瞬間瞬間でカッコいいフレーズを作る
ジャズドラムのパターンを作る
ジャズっぽいメロディを作ろう
ベースを入れる
メイン伴奏は左右に1つずつ
後ろにパッドやストリングスを入れる
必要なら上モノの伴奏を入れる
ジャズの曲構成
作曲が終わったら
最初の見出しは、僕が作った曲をご紹介します。実際にこんな感じの曲が作れるんだ!と感じて貰えればと思います。
商用ルートに乗っている曲もあります。
また、本記事はKORG Gadget for Nintendo Switchを使って実際に曲を作りながら書いて行きます(以下、サンプル曲)。
項目毎に、どんな曲が出来上がっていくかを聴いてご確認頂ければと思います。
それでは、どうぞご覧ください。
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ムセキ作曲のジャズっぽいカフェ音楽
基本的に、
-
Free MP3 of Jazz Music (Download & Commercial use OK)
にあるものは全て該当しますが、解りやすい曲を抜き出しますと以下の2曲になります。
上の記事からもダウンロードできますが、高音質版はAudiostockにて販売しています。
・Beach Wind
・Surf
また、初音ミク -Project DIVA- 2nd エディット専用楽曲に採用されている「猫なキミ」という曲もジャズ系の曲です。
「猫なキミ」はitunesやAmazon等で販売されています(「その旅、初音色。」というアルバムの一曲です。)。
ここで紹介した「Beach Wind」「Surf」「猫なキミ」全て打ち込みで作っています。本記事でご紹介する方法を使いますと、こういう曲が作れます。
「なんちゃって」でも瞬間瞬間でカッコいいフレーズを作る
ジャズというと、難しいコード理論を使って作曲するイメージがありますけど、僕の方法は「なんちゃって」なので使っても7th、maj7th、9th、add9、11th位です。
それも結果的にそうなっているだけなので、フレーズを考えている時はそこまで深く考えていません(いい加減な性格なので・・・)。
ですが、作り続けて毎回感じるのは「瞬間瞬間でカッコいいフレーズを作る事が大切」という事です。
ハッキリ言って、ダサい曲って最後まで作れませんし聴いてもらえません。
「この部分はこっちの音の方がカッコいい」というのを突き詰めていく事で、結果的に全体もカッコいい曲になります。
これは、具体的な方法というよりコツですね。一瞬を突き詰めていく事が大事です。
それでは、次の見出しから具体的な作曲方法に入っていきます。
ジャズドラムのパターンを作る
ジャズの基本は、「タッカタッカタッカタッカ」とハネたリズムが基本です。
また、基本的に2,4拍目にアクセントが来ますので、通常のポップス等とはノリが反対になります。
ハネたリズムの打ち方は8分音符トリプレットと16分音符トリプレットがあります。
トリプレットは三連符の事で、それぞれ、以下の様な感じになります。16分音符トリプレットの方が早そうに聞こえますけど、テンポは同じです。
・8分音符トリプレット
・16分音符トリプレット
古典ジャズは八分音符のトリプレットを使いますが、ジャズが発展するにつれて十六分音符のトリプレットも使われます。
最初は何曲か八分音符のトリプレットで作ってみて、慣れたら十六分音符のトリプレットで作るようにすると楽かと思います。
また、リズムパターンの楽な打ち込み方法は、
-
【初心者向け】ドラムの作曲の基本【リズムパターン】
にてご紹介しています。本記事と併せて是非ご覧ください。
サンプル曲は、16分トリプレットでこんな感じに作りました。8小節で1ブロックとして作っていくと展開しやすいのでオススメです。
ジャズっぽいメロディを作ろう
ジャズっぽいメロディは、短3度音と短5度音と短7度音(ドレミファソラシドCメジャーの場合はミ♭とソ♭とシ♭)を加える事で出来ます。
この3つの音をブルーノートと言います。一瞬だけ入れたり、ガッツリ使っても良いです。その時々でカッコいいものを選択しましょう。
コツは、ジャズっぽさを出そうと頑張らない事です。
普通のポップスやロックのメロディラインを作るのと同じ感覚で作って、後でブルーノートを入れていくという方法もあります。楽しく行きましょう。
また、あまり凝ったメロディではなくシンプルなものを目指す事がポイントです。
後でアドリブっぽいフレーズを入れる場合がありますので、あまり動かすとその時のカッコよさが半減します。
メロディラインは、2小節若しくは4小節単位で繰り返す様に作っていきます。繰り返し部分は、コピペして少しだけフレーズを変えればOKです。
サンプル曲は、以下の様になっています。
メロディラインの作成は、
-
【KORG】簡単&小洒落たフレーズの打ち込み方法【Gadget Switch】
の記事の技術も使っています。併せてご参考下さい。
ベースを入れる
ベースは下支えの役割が大きいので、他のジャンルと同じくあまり動かさないように作った方が無難です。
もし動かす場合、メロディラインや他の伴奏の邪魔にならないよう、合いの手を打つ感じで作っていくと良いでしょう。
ベースとドラムがしっかりしている曲は、聴いていて安心感が出てきます。フレーズを作る際は安定感を意識して作る事が大切です。
また、ジャズですので、ハネたリズム感と後ノリを大切にしてフレーズを考える事を忘れない様にします。
サンプル曲は、以下の様になっています。ここまで重ねると、大分曲らしくなってきました。
メイン伴奏は左右に1つずつ
ベースを入れたら、次はメインの伴奏を左右に入れていきます。
どんな楽器を使うかにもよりますが、オーソドックスなのは鍵盤とギターです。
ポイントは、「ハネたリズム感と後ノリ」の他に「ブルーノートを入れる」「コード中心にバッキングに徹する」「左右の音量さを同じにする」の4つです。
前の2つのポイントは、上の見出しまでに理由をお話しました。
その次の「コード中心にバッキングに徹する」は、ベースのフレーズと同じ様にメロディラインを邪魔しない事が大事になりますので、それが理由です。
あまり暴れさせると曲が壊れますので、抑えめに組んでいく事が大事です。あくまで主役はメロディラインになります。
最後の1つはジャズに限った事じゃないのですが、左右2つに伴奏が分かれて音がどちらか一方に偏りやすい為です。
意外と自分では気づきにくい点なので、あえて取り上げました。
サンプル曲は、以下の様になっています。オルガンとギターを加えましたので、大分肉付けが出来てきましたね。
ここまで入れたら、まあこれだけで完成としても良いと思います。ですが、もう少し音が欲しいので、更に音を加えていきます。
後ろにパッドやストリングスを入れる
パッドやストリングスには、音と音の隙間を埋めるという働きがあり、それだけの機能を求めた音になります。
音の隙間が埋まると、曲全体の力強さが上がるんですよね。曲にスカスカ感が出ていたら、是非入れてみて下さい。
パッドやストリングスは、本当にうっすらと入れる程度で十分です。耳に残らない目立たない程度が丁度いいので、ボリュームも絞って入れていきます。
エフェクトはコーラスやリバーブも多めに入れて、後ろで鳴っているような感じにしておきます。
ほぼコードからは動かさず、全音符~2分音符位の長い音符で入れていきます。ルートと5thの音だけだけでも十分かと思います。
サンプル曲は、以下の様になっています。クアイアというコーラスの音を使いました。良かったら、上の見出しのパッドが無いものと聴き比べてみて下さい。
必要なら上モノの伴奏を入れる
ここまでで、結構バランスよく伴奏が入りました。後は、必要に応じて補助の伴奏を入れていきます。
昔はジャズと言うと生音楽器だけだったのですが、シンセサイザーが出てからは電子楽器の音も入るアシッドジャズやヒップホップ等のジャンルも出てきました。
ですので、そういった音を入れていくのも面白いと思います。
作曲のポイントは、メインの伴奏と同じで大丈夫です。
しかし、ここまでパートが重なって来るとあまり大きく入れる必要はありませんので、控えめに入れておくだけで十分です。
サンプル曲は、以下の様になっています。カリンバの音を左右に散らしてみました。これで8小節打ち込みが終了です。
後は、曲構成を考えながらここまでの事を繰り返していきます。
ジャズの曲構成
ジャズの構成は色々とありますが、一つ自分の定番の構成を作っておくと良いでしょう。
ありがちなのは、A→B→A→A(アドリブ1)→A(アドリブ2)→コーダという構成ですね。サンプル曲もこの構成にしています。
基本となる8小節のブロック(A)は作りましたので、BとA(アドリブ)、コーダをAと同じ様に作っていきます。
作る時は、BはAの流れを受けて、それに対応する様に作っていくのがポイントです。「主題がAで副題がB」という感じです。
Aの方が主題なので、Bの構成は抑えめにしておく方が良いでしょう。
また、アドリブやコーダのブロックはAをコピペして、そこからトラックを抜き差して上手く使いまわすと楽です。
アドリブは、メロディラインを改変して盛り上げていくというイメージで作ると上手く行きます。どちらかというとアレンジですね。
BとA(アドリブ)が出来たら最後にコーダを作ります。
コーダ部分は、少しずつ音を変えて飽きさせない様にして、Aのパターンを繰り返していきます。コーダ部分まで出来たらほぼ完成と言って良いでしょう。
後は、曲の場面が切り替わる時やイントロでのジョイント部分の音を修正して完成です。
サンプル曲は以下の様になります。結局、上モノの伴奏は最初は外し、アドリブとコーダ部分で使用する様にしました。
これで完成になります。
作曲が終わったら
作曲が終わったら、すぐにサイトにUPして反応を見たいですよね。ですが、それは止めた方が良いでしょう。
曲が完成してすぐは、気分が高揚しているので客観的に作品を評価する事が出来ません。
まずは少し休んで気分を落ち着かせてから、出来た曲を何回か聴き込んでみて評価しましょう。
曲を聴いてみて、「もうこれ位で十分かな。」となった所で、ネットにUPします。
サンプル曲は、「The Journey's End」という名前で、
Free MP3 of Jazz Music (Download & Commercial use OK)
にUPしました。カフェよりはバー向けのBGMですね。無料音楽素材ですので、良かったらダウンロードしてみてください。
さいごに
今回は、「なんちゃって打ち込みジャズ作曲法」についての記事を「KORG Gadget for Nintendo Switch」を使って実際に作りながらご紹介しました。
この記事が、皆様のお役に立てたら嬉しいです。
作曲関連の話題は、
-
【初心者向け】作曲のコツまとめ
のまとめ記事からが便利です。
また、本記事のサンプル曲作曲で使ったKORG Gadget for Nintendo Switchに関連する話題は、
-
KORG Gadget for Nintendo Switch関連記事まとめ
のまとめ記事をご参照下さい。
他にも、「ムセキノオト」では無料音楽素材の提供やコラム、レビュー等を書いています。ごゆっくりお楽しみ下さい。
それではまた!ムセキ(@nagoyakampo)でした。